鋼構造建築の要、接合部設計のバイブル
日本建築学会による『鋼構造接合部設計指針』は、1995年の兵庫県南部地震を契機に、それまで分散していた接合部設計に関する知見を集約し、2001年に初版が刊行されました。本書は、鋼構造建築物の性能を左右する重要な部位である接合部の設計について、基本から詳細までを網羅的に解説した、設計者必携の指針です。
度重なる改定で最新知見を反映、信頼性を向上
初版刊行後も、2006年、2012年と改定を重ね、最新の研究成果やJIS規格の変更などを反映してきました。2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震など、近年の大規模地震での被害事例も踏まえ、設計法の見直しや新たな知見が追加されています。今回の第4版では、溶融亜鉛めっき高力ボルト12Gの追加、梁端接合部やブレース端接合部、柱脚の設計に関する解説の充実など、大幅な内容更新が行われています。
実践的な設計を支援、安全性と品質向上に貢献
本書は、混用形式の接合部や工場溶接形式の接合部に関するデータ更新、圧縮応力下での安定性に配慮した解説の追加など、より実践的な設計を支援する内容となっています。「鋼構造柱脚設計施工ガイドブック」(2017年)の内容も反映し、露出柱脚の設計に関する情報も充実。本書は、鋼構造建築物の安全性と品質向上に貢献し、設計・施工に携わる技術者にとって不可欠な一冊です。