ヒント
標準ディテールを超える! 実践的・構造詳細図集の決定版
「柱と壁を同じ厚さにしたい」「接合部をすっきり見せたい」「柱をできるだけ細くしたい」―構造設計の実務では、教科書的な標準ディテールだけでは対応しきれない場面に必ず直面します。本書は、そのような日常的な課題に対し、第一線で活躍する構造設計者、山田憲明氏(木造担当)と多田脩二氏(鉄骨造担当)が、豊富な実務経験から培った知恵と工夫を惜しみなく公開する、実践的な構造ディテール詳細図集です。 単なる標準図の羅列ではなく、「なぜこのディテールが必要なのか」「どのように考え、解決したのか」という思考プロセスと共に、具体的な納まりを詳細な図面で提示します。基礎、柱、梁、スラブ、そして最も工夫が求められる接合部など、部位別に体系的にまとめられているため、目的のディテールを素早く参照できます。構造設計者にとって、日々の設計業務における強力な助けとなるだけでなく、意匠設計者が構造との連携をよりスムーズに進めるためのヒントも満載です。
概要
【鉄骨造・木造】架構別・部位別ディテール徹底解説(目次より)
本書は「鉄骨造編」(多田脩二氏)と「木造編」(山田憲明氏)の2部構成で、それぞれの構造特性に応じたディテールを深く掘り下げています。
- [鉄骨造] 編:
- 基本・実践のディテール: 基礎梁と鉄骨柱脚の取り合い、柱梁のピン/剛接合の使い分け、梁せい違いの接合、デッキスラブの納まり、異形ラーメンの接合部、格子フレーム、鋼板サンドイッチスラブ、鋼管柱のピン柱脚など、鉄骨造特有の課題に対応する多様なディテールを網羅。
- ブレースのディテール: 機械式接合を用いたスマートなブレース処理。
- 特別なディテール: 「中国木材名古屋事業所」などの実例に見る応用的なディテールも紹介。
- [木造] 編:
- 基本・実践のディテール: 雨がかり柱脚の工夫、勾配屋根の水平構面、跳ね出しバルコニーの納まり、軒とケラバの処理、方形屋根の立体トラス、鋭角/鈍角軸での耐力壁交差、三角トラス(合わせ梁)、平行弦トラス、連続梁(ゲルバー梁)など、木造ならではの部位や架構形式における実践的なディテールを解説。
- 特別なディテール: 「東北大学エコラボ」などの実プロジェクトで採用された、独創的かつ合理的なディテールも収録。
鉄骨造、木造それぞれにおいて、基本から応用、さらには実例に基づく特別なディテールまで、構造設計の引き出しを格段に増やす一冊です。